旅する投資家 長期投資の王道

優良株の下値を恐れず買い向かえ!

資産をドル建てで考える2

 日経平均は22500円の節目を抜け3日続伸しました。米国市場が堅調、長期金利やVIX指数も低下傾向、そして何よりドル円相場の安定が寄与しています。

 一方で、企業決算は終盤戦に入ろうとしており、材料もそろそろ出尽くしとなりそうです。今後は材料探しに苦労する相場となる可能性もありますが、米朝会談など地政学リスクが解決に向かえば、それを材料に一段高を目指すのではないでしょうか。



 さて、毎月14日は旅する投資家の月次決算締め日です。4月相場は円安基調の持続に支えられ、日本株・米国株・債券など、主要資産は堅調に推移しました。パソコンの新調などで家計の出費も嵩みましたが、それを上回るパフォーマンスを持続しました。

 と…、ここまでは円建て資産のハナシ。

 旅する投資家は米ドル建てで見た資産の増加額を最重視しています。先月決算時の1ドル106.85円から、今日現在の109.50円へ3円ほど円安方向に推移したため、米ドル建ての資産は減益となってしまいました。円建て好決算でウキウキしたのも束の間、為替相場の影響度は非常にインパクトが大きいものです。



 日本は資源の多くを輸入に頼っています。代表的なものは、原油などのエネルギー資源、そして穀物などの食糧でしょうか。そしてこれらの輸入物資の多くは米ドル建て決済されています。米国が世界の覇権を握り続けているもっとも大きな理由は、資源と食糧の決済手段に米ドルが使用されているからに他なりません。

 つまり、いくら円建てで資産を持っていようとも、為替相場が極端な円安になった場合、日本国内のインフレが急激に進み、諸物価は急上昇してしまう可能性があります。

 昨今は「ステルス値上げ」といって、包装資材などの値上げ分を内容量の減量で対処している食料品が増えています。これは円安がマイナス方向に働いてる事例です。究極的な資産力を見るには米国が覇権を握っている限り「米ドル建て」を重視しなければなりません。

 将来的に日本の国力が弱まり、いわゆる悪い円安が起こるような事態が想定されれば、米ドル建て資産をあらかじめ保有しておくというのが、重要な資産の保全策になるかもしれませんね。