旅する投資家 長期投資の王道

優良株の下値を恐れず買い向かえ!

ダウの犬(旅する投資家Ver.)

[日経電子版 2011/3/7] 
 米国で有名な「ダウの犬(Dogs of the Dow」戦略という割安株投資術をご存じだろうか。ダウ工業株30種平均の採用銘柄の中から、配当利回りの高い順に10社を選んで投資し、1年後に売却することを繰り返すと高収益が期待できるというものだ。
 配当利回りは「配当÷株価」なので、配当が一定なら、売られて株価が安くなると配当利回りは高くなる。そして「dogs」には「さえないもの」という意味がある。
 要するに「売られすぎて(株価がさえなくて)配当利回りが高くなっている」銘柄に投資する。ただし、すぐにつぶれてしまうような企業なら危ないので、世界的大企業で減配や倒産の可能性が比較的少ないダウ30銘柄を対象にするわけだ。

 旅する投資家の投資戦略は「長期・逆張り・国際優良(高配当)株」です。
で…、元ネタは「ダウの犬」戦略のアレンジメントです。

 ブログを始めてから色々な投資家さんの記事を拝見させて頂きますが、思いのほかこの「ダウの犬」をモチーフにしたと思われる投資戦略が多いことに気づかされます。ある程度、金融資産をお持ちの方、あるいは日中忙しいサラリーマン兼業投資家サンと相性が良いと考えています。

 旅する投資家が銘柄スクリーニングをする場合、①時価総額(大)、②配当利回り(高)の二つをチェックします。これだけで「ダウの犬」的な銘柄が浮かび上がります。この戦略を取る理由はひとつ。ゆったり長期保有を前提とするため、安定性が高水準で保たれることが一番だからです。

 無論、ダウの犬に当てはまらないテーマ株などに手を出すこともありますが、あくまで短期投資・順張りに限ります。ダウの犬は相場が上昇トレンドにある場合、パフォーマンスが今一つになりますが、弱みを理解しつつ戦略的に投資を行えば、とても効果的な投資法であると思います。

 近年は「NISA」の登場で、配当に税金がかからなくなりましたので、複利パワーも期待できます。投資戦略にお悩みの方、一度「ダウの犬」を検討してみてはいかがでしょうか?