旅する投資家 長期投資の王道

優良株の下値を恐れず買い向かえ!

値上げ力(旅する投資家の銘柄選択)

 求人倍率5月1.49倍、人手不足に拍車 43年ぶり高水準(6/30日経電子版)


 企業の人手不足に一段と拍車がかかっている。厚生労働省が30日発表した5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.49倍と、1974年2月以来43年3カ月ぶりの高さを記録。完全失業率(同)は3.1%と4月よりやや高まったが、まだ職種や勤務地など条件が合わない「ミスマッチ失業率」並みの低水準だ。ただ賃上げペースは緩やかで家計の節約志向は根強く、消費は勢いを欠く。物価も低迷している。
 

 人手不足は株式マーケットにおいても、無視できない問題ではないでしょうか。
①消費者からみて、必要なモノ・サービスが入手できなくなる可能性が高くなる。
②企業からみて、人件費の上昇が利益を圧迫する。
というジレンマに陥ります。


 経済評論家の三橋貴明氏によると、
「現状の人手不足は、生産年齢人口の減少による、人口動態の変化がもたらす現象」であるとされ、これに対する企業の方策は、
「生産性向上によってのみ解決可能である」と仰っています。


 人手不足は、決してマイナス面ばかりではなく、もともと生産性の高い企業にとっては旺盛な需要に「値上げ」で対応することができるため、さらに利益率を高めることが可能になります。

 デフレ下で値下げ競争を余儀なくされてきた企業も、勝ち組(値上げ)・負け組(さらに値下げ)に分かれ始めており、昨今、業績好調な企業を読み解くと、モノ・サービスの「値上げ力」が高い企業が株価も高いことがわかります。

 旅する投資家も、銘柄選択に「値上げ力」の視点を取り入れていきたいと考えています。