旅する投資家 長期投資の王道

優良株の下値を恐れず買い向かえ!

投資金額バイアスを取り除こう(One Tap BUY)

 株式投資を始めたばかりの頃です。なけなしの種銭「20万円」位だったと思います。意気込んで銘柄を選ぼうとすると…「あること」が気持ちの中に引っかかります。

 本来、株式投資の銘柄選びは、テクニカルやファンダメンタル、相場の需給、そして自分の銘柄選択眼を駆使して、選び抜くもの。しかし、選択の大前提が「買えるかどうか」になってしまうと、本末転倒な銘柄選びが起こります。

 当時、引っかかっていた「あること」とは、投資金額を前提に銘柄を選択しなければならないという違和感でした(おカネが足りないから当たり前ですが…)。


 現在、東証一部の売買代金1位の常連「任天堂」は単元株数を購入するには約380万円もの大金が必要になります。投資金額バイアスがかかると、この時点で「任天堂」は無条件に投資対象から外れてしまうのです。

 これではいくら日頃の情報収集に励み、銘柄選びに血眼になっても、納得のいく銘柄選択とはいえません。投資金額がアタマの中に引っかかり、存在するはずの企業が自分の中で無かったことになるからです。



 前置きが長くなってしまいましたが、大金持ちではない普通の人たちが株式投資をするにあたって、(One Tap BUY)やネット証券による「少額投資ブーム」は大変歓迎するべきものです。初心者から、納得の銘柄選びをしたいというベテランまで、株式投資の魅力を徹底追求できるからです。



スマホで投資デビュー ※9/17日経電子版


ワンタップバイを利用すると、最低1000円以上で買付金額の方を指定でき、その分投資株数が少なくなる仕組みだ。記者は1000円を選び、これで2タップ。すると「0.02794株」と株数が表示されるので、最後の3タップ目「買う」を指定すれば取引が完了する。所要時間3分少々。

 模擬とはいえ、がぜん任天堂の株主気分になる。常以上に景気動向や産業ニュースが気になる日を過ごし、3日後、アプリをのぞくと約4円の含み益が。一瞬「ビミョー」と思ったが、たかが4円、されど4円と自分を戒める。利回りにして0.4%はメガバンクの定期預金金利の40倍だ。

 ワンタップバイの林和人社長は「『お金がない、怖い、どの株を買えばいいかわからない』という、投資のハードルを全て取り除いた」という。同社が株式市場で「仕入れ」した株を小分けし、顧客に相対取引で販売する。

 金額ベースでなく株数ベースになるが、既存の証券会社でも単元未満株の少額投資はできる。ワン株(マネックス証券)、プチ株(カブドットコム証券)、S株(SBI証券)など呼び名はそれぞれ。いずれも総会での議決権や株主優待など株主としての権利に制限があるのが普通だ。※一部抜粋