常識覆す「マスク流」工場(TSLAテスラモーターズ)
米テスラ、常識覆す「マスク流」工場 時価総額GM抜く
【11日 日経電子版 シリコンバレー=兼松雄一郎】
米テスラの時価総額が10日、一時的ながら米ゼネラル・モーターズ(GM)を超え、米自動車業界で首位となった。
「我々はものづくり企業。工場こそが最大の製品だ」。マスク氏は常々こう語っている。自らが工場長のように現場をうろつき、仕様変更を命じる。1台で複数の工具を付け替えて使う多機能ロボットなど、自動車工場には珍しい設備が並ぶ。
テスラは「生産を外部委託する他のメーカーとは違う」(マスク氏)と我が道を行く。汎用部品は徹底的に値切り、協力会社が応じなければ自社生産に切り替える。大手が人命重視を理由に嫌う設計や調達先の変更は日常茶飯事だ。
その裏にはマスク氏が創業し、CEOを兼務する宇宙ベンチャー、スペースXの経験がある。同社は1機100億円超が常識だったロケット打ち上げ費用を100分の1に下げる構想を掲げる。
「テスラには業界の常識が通用しない」。米証券会社パイパー・ジェフリーは10日、テスラ株の目標株価を従来より65%も高い368ドル(約4万円)に引き上げた。実現すれば、時価総額で独フォルクスワーゲン(VW)が視野に入る。
とはいえ、テスラは先行投資がかさみ、10年6月の上場以降、四半期ベースの黒字は2回だけ。20年に生産台数を100万台に乗せる構想に死角はないのか。マスク氏は赤字続きでも先行する期待に応える責任を負う。
米自動車業界で時価総額首位に立った(TSLAテスラモーターズ)の記事です。
米国企業の「ものづくり」といってもピンと来ませんが、「工場こそが最大の製品だ」というところが、他の米国企業と一線を画すユニークなところではないでしょうか。
宇宙事業も手掛けるイーロン・マスクCEOですが、傑出した実業家であることは間違いありません。エネルギッシュな彼の情熱がテスラをさらに高みに導いてくれることでしょう。旅する投資家も期待してます。